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転職した年のふるさと納税|限度額の計算で見落としやすい3つのポイント

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転職した年は、前職と現職の給与を合算した「その年の実際の年収」で限度額が決まる。前年の年収や現職の給与だけで計算すると、実際の年収より高く見積もって超過するケースが多い。空白期間の有無、賞与の支給タイミング、退職金の扱いを確認し、年末の見込み年収が固まってから寄付額を決めるのが安全。

転職年の限度額計算が難しい理由

ふるさと納税の控除限度額は、その年の1月1日〜12月31日の所得と、住民税・所得税の額をもとに決まる。転職していない年であれば、前年の年収からある程度の予測が立つ。

転職した年は状況が異なる。前職の給与、現職の給与、退職から入社までの空白期間、賞与の有無など、複数の要素が同時に変動する。どれか一つでも想定とずれると、年収の見積もりが数十万円単位でぶれることがある。

限度額は年収に対してほぼ比例的に決まるため、年収の見積もりが高すぎれば寄付額も過大になり、控除されない自己負担分が発生する。転職年は「前年の年収」も「現職だけの年収」も参考値にならない、という前提で計算する必要がある。

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見落としやすいポイント①:空白期間による年収の下振れ

退職から入社までに1ヶ月以上の空白期間がある場合、その期間の給与収入はゼロになる。前職の年収と現職の想定年収を単純に足すと、実際より高く見積もってしまう。

例えば、前職を6月末に退職し、8月から新しい勤務先で働き始めた場合、7月分の給与は発生しない。前職の1〜6月分の給与と、現職の8〜12月分の給与を合算した金額が、その年の年収になる。

失業保険(雇用保険の基本手当)を受け取っていた場合も、この収入は非課税のため年収には含まれない。空白期間があるほど、想定より年収が下がりやすい点を押さえておく必要がある。

見落としやすいポイント②:退職金は限度額の計算に含まれない

退職金は「退職所得」として、給与所得とは別に分離課税される。総合課税である給与所得とは計算方法が異なり、ふるさと納税の控除限度額を算出する際の年収には含まれない。

退職金の額が大きいと「今年は収入が多いから、限度額も上がるはず」と考えがちだが、これは誤りである。退職金を含めて限度額を計算すると、実際の限度額より過大に見積もることになり、超過するリスクが高くなる。

限度額の計算対象になるのは、給与所得や事業所得など、総合課税の対象となる所得のみ。退職金は「なかったもの」として年収を計算する、という認識で問題ない。

見落としやすいポイント③:賞与の支給有無で年収が大きく変わる

転職のタイミングによっては、その年の賞与(ボーナス)を前職・現職のどちらからも受け取れない、あるいは片方からしか受け取れないケースがある。

賞与は年収の中でも比較的大きな割合を占めることが多く、支給の有無によって年収が数十万円〜100万円以上変動することもある。特に以下のようなケースは、賞与の支給有無を必ず確認する必要がある。

転職のタイミング 前職の賞与 現職の賞与
夏の賞与支給前に退職 受け取れない可能性が高い 在籍期間・規定次第
夏の賞与支給後に退職、年末までに入社 受け取り済み 冬の賞与は規定次第
年末近くに入社 規定による 支給対象外の場合が多い

賞与の支給条件(在籍期間、査定期間など)は企業ごとに異なるため、現職の人事や給与規定を確認し、「支給される前提」で見積もることは避けたほうがよい。

前職の源泉徴収票は新しい勤務先に提出する

転職した年に年末調整を受けるには、前職の源泉徴収票を現職の勤務先に提出する必要がある。前職の給与額と、そこで納めた所得税額を合算して年末調整を行うためである。

源泉徴収票は退職後1ヶ月程度で発行されることが多いが、発行が遅れる、あるいは提出を忘れるケースもある。この場合、現職の勤務先は前職分の給与を含めずに年末調整を行うことになり、正しい税額が計算されない。

結果として、ふるさと納税の控除に必要な「寄附金受領証明書」や、ワンストップ特例の申請情報が正しく反映されない可能性もある。転職後は早めに前職の源泉徴収票を確認し、現職の給与担当者に提出しておく必要がある。

年末調整が受けられない場合は確定申告が必要

以下のようなケースでは、現職での年末調整だけでは所得税の計算が完了せず、確定申告が必要になる。

  • 前職の源泉徴収票の提出が年末調整の期限に間に合わなかった
  • 年内に転職先が決まらず、年末時点で無職だった
  • 前職・現職以外にも収入があった(副業、フリーランス収入など)

確定申告が必要な場合、ふるさと納税の控除を受けるにはワンストップ特例は使えず、確定申告の際に寄附金控除として申告する必要がある。ワンストップ特例を申請済みでも、確定申告を行う場合はふるさと納税の分も含めて申告書に記載する必要がある点は、見落としやすいポイントの一つ。

12月時点の見込み年収で計算するのが安全な理由

転職年は、年の途中で年収を確定させることが難しい。上半期の時点で「今年はこのくらいの年収になりそうだ」と見積もっても、下半期の賞与の有無や、想定外の給与変動によって実際の年収とずれることがある。

限度額を超えて寄付した場合、超えた分は控除されず、実質的に自己負担額が増える。逆に限度額を大きく下回る寄付額にとどめると、本来受けられたはずの控除の余地を使い切れないことになる。

このため、転職した年は以下の順序で進めるのが安全性が高い。

  1. 11月末〜12月上旬の給与明細で、その年の給与総額の見込みを確認する
  2. 賞与が確定している場合はその金額を含める
  3. 前職分の給与額(源泉徴収票の金額)を合算する
  4. 退職金は年収に含めずに計算する
  5. 見込み年収が固まった段階で、控除限度額シミュレーターに入力する

年の早い時期に寄付を済ませてしまうと、後から年収が下振れした場合に超過するリスクが残る。転職年は、寄付のタイミングを12月に近づけるほど、見込み年収の精度が上がり、超過のリスクを下げられる。

見込み年収が固まったら、[ふるさと納税 控除限度額シミュレーター]で、現職・前職の給与額を合算した金額を入力して限度額を確認しておくと、寄付額の判断がしやすくなる。

まとめ

  • 転職年は前職・現職の給与を合算した「実際の年収」で限度額が決まり、前年の年収は参考にならない
  • 空白期間があると年収は想定より下がりやすく、退職金は分離課税のため限度額の計算には含めない
  • 賞与の支給有無は転職のタイミングに左右されるため、規定を確認したうえで見積もる
  • 前職の源泉徴収票は現職に提出し、年末調整が受けられない場合は確定申告で控除を申告する
  • 12月時点の見込み年収が固まった段階でシミュレーターに入力し、寄付額を確定させるのが安全

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